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予約のほとんどがOTA経由だった
「予約が入っていると思ったらほとんどがOTA経由」
「直販につなげるための努力をしているはずなのに、なかなかうまくいかない」
「OTA経由での予約だと、せっかくの売上も手数料で減ってしまう」
ホテルや旅館などの宿泊施設を運営していると、必ずと言ってよいほど頭を悩ませるのが、OTAとの向き合い方です。日々、社内で直販につなげるための方法を考えても、なかなか解決まで導き出せません。令和7年の一般社団法人日本旅館協会の「営業状況等統計調査」では、OTA経由の宿泊人員の割合は46.9%でした。
この課題は、一部の宿に限った話ではなく、宿泊業界全体が抱える悩みだと思います。何が原因でOTA依存に陥ってしまうのでしょうか。これは、宿を運営する側の努力が足りないからではなく、運営する側で気付きづらい構造の問題が隠れているためです。


※ OTA(Online Travel Agency)とは、オンライン上で予約が完結する旅行代理店のことです
OTAに依存してしまう原因
インターネットがない時代は、本やパンフレットを見て電話予約や旅行代理店を介した予約方法が一般的でした。しかし、現代においてはインターネットの普及により、検索エンジン・SNS・メタサーチ・Googleマップ・口コミなど、ユーザーはスマホやPCから自由に宿を探し、比較し、最適な宿を見つけ、予約まで行えるようになりました。しかし、この一連の流れの中で、ユーザーは無意識のうちにOTA経由で予約するルートに入りこんでいます。
どのようにOTAの方へ流れてしまっているのかを考えていきます。宿の予約方法は、大きく分けると「直販(直接予約)」か「代理予約(OTAや旅行会社経由)」の2つがあります。
例えば、Googleマップで泊まりたいホテルが見つかると予約に進みます。画面には、自社サイトだけではなく、OTAサイトのリンクとホテル価格が並び、値段を比較できます。オーガニック検索するとどうでしょう。公式サイト以外に、様々なOTAサイトが順番に表示され、有名なOTAサービスのリスティング広告が公式サイトよりも先に表示されることもあります。その結果、ユーザーは無意識のうちに「OTAサイト」に流れ込み、予約をします。
つまり、OTA経由での予約に陥ってしまう原因は、ユーザーに宿を見つけてもらう経路がOTAの方に偏ってしまっていることです。


直販を実現する宿はある
ではどうしたら、ユーザーは自分たちのサイトから直接予約してもらえるのでしょうか。
まずはOTAを利用するメリットから見ていきます。OTAには、宿泊するエリア内の検索や宿の比較、OTA独自のポイント還元、豊富な決済手段、スムーズな予約完結、ホテルと航空券のお得なセット予約など、ユーザーにとって様々なメリットがあります。
しかし、OTAでは実現が難しい、直販ならではのメリットがあることを忘れてはいけません。
実際にそのメリットを活かして、直販率を高めている宿泊施設も存在します。それは誰もが知っているホテルに限った話でなく、ビジネスホテルからシティホテル、個人で運営する旅館など、幅広い形態の宿泊施設で実現できています。事例を2つ紹介します。
事例1:とある山の奥にある9室の老舗旅館
ここは車でしか行くことができない山奥にひっそりと立つ小さな旅館です。山奥にあるため、「そもそも見つけてもらうことが難しい。」それがこの旅館の課題でした。しかし、この旅館の魅力は、山と川に囲まれた国立公園にある点です。その立地を活かした天空のサウナ、開湯七百年の歴史を持つ温泉。毎日かかさずSNSで投稿を行い、日本中にこの体験価値を伝え続けてきました。その結果、ユーザーに拡散され、直販での予約を獲得できています。
事例2:あるチェーン展開されている老舗ホテル
「リーズナブルな価格でお客様にホテル滞在を楽しんでもらうこと」を大切にする、あるチェーンのホテルです。こちらは、周りに多くの競合ホテルがあり、差別化が課題でした。そこで、低価格を売りにするため、OTAサイトより10%安い価格で予約できる制度や、直販限定のお得なプランを販売することで、リピーター客を徐々に増やした結果、直販を実現できています。
このように、OTAでは実現が難しい、自分たち独自の予約ルートを作り出し、ユーザーに見つけてもらうことができれば、OTAに偏らずに、ユーザーを自然と自社サイトへ誘導できます。
お客様と宿の魅力を当てはめる
自分たち独自の予約ルートを作る上で、「宿に宿泊されるお客様」と「この宿で体験できる魅力」を当てはめて考えてみてください。あなたの宿では、どのようなお客様がどこから宿を見つけ、泊まりに来てもらえるでしょうか。そして、宿はどのような体験を提供できるでしょうか。
例えば、お子様連れのファミリー層が多いシティホテルでは、お子様が主役です。お子様は、ホテルを単なる宿泊ではなく、特別体験と捉える子が多いと思います。電車が見える客室、限定のおもちゃがもらえるサービス、キャラクターとのコラボ部屋など、ワクワクな体験を得ることができれば、家族で最高の思い出を作れるでしょう。これらは、この宿でしか体験できない独自の魅力であり、直接予約する理由です。
そして、子連れのお客様は、20〜30代のお客様が多いため、SNSから探して見つける方も多いでしょう。そこで、部屋内に「おすすめの写真スポット」の案内を配置し、集合写真やお子様の写真撮影を楽しめる場を設けることで、自発的なSNS投稿を促します。その結果、宿の魅力が拡散され、直接予約へつなげられます。
忙しい社会人が多く泊まるビジネスホテルではどうでしょう。お客様は、仕事で疲れていて、早く休めるサービスや、疲れを癒してくれる体験を求めます。その時に、直販限定の無料アーリーインやレイトアウト、サウナ、フリードリンク、アイスクリームのサービスがあると嬉しいです。
このようなお客様は、宿泊エリアの指定や、「サウナ・フリードリンクが楽しめるホテル」など、要望を指定して検索する方が多いと思います。そこで、定期的にホテル自慢の直販限定サービスや体験の記事を投稿することで、ユーザーが発見し、直接予約へつなげられます。
このように、「お客様はどこから宿を見つけるのか」「ホテルのどこに魅力を感じて宿泊するのか」「どのようなサービスがあると喜んでもらえるのか」を具体的に考えてみてください。それに対して、「どんな施策を打ち出すことで、お客様を自社サイトへ呼び込み、直販につなげることができるのか」を考えることで、次に進むべき道が見えてくると思います。


100の宿があれば、100通り以上の解決方法がある
ここまで色々な事例から考えてきましたが、見えてくるポイントがあります。それは、100の宿があれば、100通り以上の解決方法があるということです。
宿の形態、お客様、立地、価格、サービス内容、周辺環境など、宿の状況や特徴、強みによって方法は多岐に渡ります。一つとして全く同じものはありません。


だからこそ今一度、宿の見直しを行い、まだ見えていない本当の魅力や価値、課題を掘り出すことが大切です。
これは決してマニュアル通りに進めていくことで実現できるものでもありません。ときには、ホテルスタッフ、経営者、ホテルに直接関係していない方など、様々な人からの意見も必要となることがあります。
私たちもホテルのブランディングからサイト制作、その後の改善まで、解決へ導くために、多くの経験をしてきました。一緒に向き合いながら最適なサイト設計について考えていくことに価値を感じています。
整理するところから、施策を考えるところから、サイトを作るところから、悩みや課題が曖昧な状態でも大丈夫です。相談してみたいと思っている方がいれば、お気軽にお問合せください